TESLA Model3で事故した!

こんにちは、ヤスヒラです。しがない新卒会社員です。自己紹介、以上。

大枚をはたいて、とらぬ狸の皮算用をし、将来の自分からお金を借りてまで買ったTESLA Model3(テスラ モデル3)。それほど愛着の湧く車を手にしたというのに、なんと納車一週間目でぶつけてしまったわけです。その時の悲しさたるや。さて、後悔しても何も進まないので、私の「てすらくん」を直した体験記をここに書きます。皆さんが同じような状況になった場合の助けになればと思います。

リアドア下部に5cm渡りのヘコみが2箇所

結論-事故る前にどうすべきか

車両保険に入りましょう。おこがましいのは承知ですが、ぜひ。「いやいや新車買ったら車両保険は当たり前でしょう」という声が聞こえてきますが、いやはや無知とは恐ろしいもので、私は新車でTESLAを買ったのに車両保険に入らなかったのです。

なぜ入らなかったのか?人身事故の場合の保険にはもちろん対人対物無制限で入っていましたが、それ以上のお金はかけたくなかったからです。私は24歳男性で免許がまだグリーンだからだとは思うのですが、12ヶ月の車両保険だけで20万円でしたから、安い金額ではありません。ただし、その判断があとの自分を苦しめることになります。

今回私は1発で13万の治療費を支払いました。まあまあな金額です。しかし、バンパー付近やトランク付近にダメージを入れてしまうと、1発で6,70万円近く出ていってしまうそれと比較するとマシではありますが。不幸中の幸い?とりあえず遅すぎることはないと、事故の後に車両保険に加入しました。後悔先に立たず。目先のお金は後の安心のためにたくさん使いましょう。今回の教訓です。私のような運転に慣れない人には、いやそうでない人でも、“エコノミーでない”車両保険への加入が万一の時に安心です(自損事故でも支払いが下りるやつ)。

結論-板金塗装が必要な事故をしたらどうすれば良いか

TESLA車を運転の皆さんが車両の修理をする場合には、下記のリンクから認定修理サービスを探し、予約をおとりください。

https://www.tesla.com/jp/support/body-shop-support

私は事故当日は知りませんでした。結果良い修理屋さんに恵まれるものの、不安な中過ごした時間が非常に長かったのが辛かった。認定ショップとしてトーニチユニオンサービスさんがありますが、かなり人気ですので時間を要すかもしれません。その場合は私のようにサードパーティーの修理工場に依頼するのがいいのかも。今回依頼した、峯田自動車工業さんのHPは下記に。

http://www.bp-mineta.co.jp/cp.html

12月27日-事故当日

言い訳

私はただ右に曲がりたかっただけなんです。……読者の皆様にはぜひ念頭に置いていただきたいのですが、TESLAのナビはこの車が通れないような細い道を案内してきます。信じるべきではありません、特に私のような運転に慣れていない人は。でもあろうことか、私は慣れない一通の裏路地を出たいという一心でナビを信じ、事故スポットへとアクセルを踏むわけです。結果、右に曲がり切れず、リアドアパネルをやってしまいました。天気の良い午後1時のことでした。

ぶつかる前、きちんと警告はしてくれた

「右前が危ない」の警告

この車には超音波センサーがついており、障害物との距離を自動でディスプレイに表示してくれます。言わずもがな、今回「ガッ」というような鈍い音が響く30秒ほどまえ、てすらくんは私に警告をしてくれました。このままではぶつかるぞと。障害物と近い場合になる音は大きく3種類あり、低めの「プーン」(障害物との距離約80cmほど?)、高めの「パーン」(30cmほど?)、そして本当にやばいときの「ピー」(かなり余裕がない)です。擬音のセンスがないのはぜひご理解いただきたく。今回、その「ピー」音が鳴ったにもかかわらず、前へ進もうとしたので、まあ前述のとおりです。自業自得ですね。しっかり警告してくれるので、焦らなければ通常はぶつけないと思います。

事故後の修理へ向けて…しかし判断を誤る

事故後、自走して帰宅してからTESLAのサービスセンターにとりあえず電話をしました。TESLAにはモバイルサービスというのがあり、軽微な不具合であれば直してくれるようなので。…案の定繋がりませんでした。分かりますよ、私も新卒なので、電話対応の辛さはよく知っています。ただ決して怒鳴ったりしないから出て欲しかった気持ちは否めなかった。とりあえず心を落ち着かせたかった。

修理をして欲しい旨メールを入れ、とりあえず心を落ち着かせました。自分の心は自分でコントロールするのだ。でもこれ、今思えば間違っていたんですよね。

12月28日-“緊急外来”が開いていない

私はここから不安の青函トンネルへ入ることになります。

TESLAでは板金塗装修理ができない

メールの返信はまあ、早くはないわけです。折り返しもない。いてもたっても居られず、何かできることはないかと調べた結果、衝撃の事実が。そもそもTESLAは「塗装のできる」リペアサービスを持っていないらしいのです。まじか。無知は罪。連絡した意味がないではないか。

本来ならば『テスラ 認定サービスセンター』というサードパーティのお店へ連絡し、車を持っていけば良かったんですが、私は無知だったのでそんなことは知りませんでした。今日だけで100回くらいググったというのに、なぜ探し当てられなかったんでしょう。自身に呆れます。

フォロワーさんからの助けの手

世の中ってあたたかいんですよ。前述のツイートを見て「直せるかもしれない」旨のリプライをくれた心優しい方がいらっしゃいました。板金修理もやっておられる車屋の方です。見積もりまでは時間がかかるそうですが、修繕に法外な値段を要求された時や、どこも受けてくれなかった時のために、見積もりだけお願いしました。テスラのサービスセンターではなおせなさそうなので大変ありがたいですね。

近場の板金屋も開いてない

お見積もりはお願いしたものの、相見積もりは大事ですので、町工場に頼ろうと考えました。TESLA社が直せないのであれば、近場の職人を頼ればいいと気づきました。私は天才かもしれません。かなりのスピードで片っ端から「車 修理 ぶつけた」などで調べ、ヒットしたホームページをあさり、連絡先を探しました。しかし、調べれば調べるほどドツボにハマる。なぜならどこもお休み。そりゃそうよ、今日は日曜日だもの。

「じゃあ明日月曜なら!」…しかし空いているところもない。ないんです。なぜなら年末年始期間だから。27日が最終出勤日、28からお休みなんて企業は多いわけですして、まあ実にホワイト。働き方改革が進んでいてとてもよろしい。なのでよろしくないところの電話番号をかき集めます。まったく、令和になったというのに大晦日ギリギリまで社員を働かせるなんて酷い昭和体質な企業もたくさんあるもんですね。ありがたい。

候補は見つかる、されど断られる

やっとこさ見つけた“病院”に予約を取ります。「お見積もりだけでしたら本日可能ですよ、お車をお持ちいただければ」とのことだったので早速持っていきました。

「これってテスラですか?」白い息を吐き、青の服装に身を包んだベテラン従業員さんが傷を見ながら切り出します。しかし即座に発せられた「ウチでは厳しいですね」の一言で崖から突き落とされた気分でした。「あー、そうなんですね。ちなみに理由とかって…?」「まず、塗料の配合具合がわからないんです。BMやVWなどの外車ならよくやっているんですが。あとこれ、ドアがスチールじゃないですね」話を聞けば、アルミドアは修理の難易度が高いらしいのです。…なるほど、元理系なのでアルミの柔らかさ具合は加工がしやすい反面、元に戻すのは難しいし、高温で加熱するわけにもいかないのは承知です。

…なんて言いながら、責任が持てないからやりたくないという事なんだろうなとは思います。分かりますよ、私も逆の立場だったら出来るかわからない仕事は受けないので。ただ、私の心はまるで難病を患った息子を治したい一心でいろんな病院へ訪問する親のようでした。独身だけども。この子を絶対救ってやるぞ。いや、これから悪化はしないし余命宣告もされてないよ。

しかし、最後に耳寄りな情報を聞けました。あまりに愕然とする私の背中を見かねたのか「テスラだったら、実績あるところ知ってますよ。江東区の峯田さんのとこなら多分、受けてもらえるんじゃないかと。」と声が。「本当ですか!」「峯田自動車工業って言うんですけどね、東陽町。1時間かからないくらいで行きますよ。」

情報、ゲットだぜ!ピッピカチュウ。ありがとうございます。しかしながら今日はもうgoogleと遊びすぎたのと、疲れがどっときたので、とりあえず修理のことを考えないことにします。

年末年始

実家に帰りたかったので、リアに傷をつけたままTESLA Model3 SR+を1000kmくらい運転しました。傷を見せたところ親に「酷いねー」なんて笑われました。まったくもってその通りです。正論が傷口に染みる。

1月7日-“外科医”への依頼は高くつく

世の中には凄い人がいます。TESLAの板金塗装でも受けてくれるという人です。前述のとおりですが、私は車両保険に入らなかったため、安く受けてくれるところを探したかったのです。とりあえず見積もりのお願いをしに、前述の峯田自動車工業さんまで伺うと、気さくな方が迎えてくれました。

「あぁ、新しいやつです?」話を聞くとどうやら、モデルSは修理をしたことがあるとのことでしたが、モデル3はやったことがないとのことです。恐る恐る聞いてみます。「これ、御社で直せそうですか?」「いけますよ」と即答。

『いけますよ』の言葉はまるでトンネルの出口のよう。真冬の自販機のコーンスープ。避難所に灯ったキャンドル。真夏のコンビニ店舗内。

「こう言うことを聞くのも野暮なんですが、いくらくらいかかりますか?」「そうですねー、15万円くらいですねー」

15万円。私の手取りの3/4です。15万円。右に曲がれなかった代償はでかい。額が多すぎてちょっと検討させてくれとその場で言ってしまいました。自動車の修理費としては安いんでしょうけども。

問題は修繕後の見た目

それだけのお金を取られるのにはきっとそれなりの理由があります。電話後色々調べたのですが、色味が合わないとか、うまく塗装が乗っていないとか、格安業者の場合、そういう仕上がり後のボロが出ることもあるようです。各方面へ頼って回ってご迷惑をおかけした結果、峯田さんにお願いするのが一番いいと私の中で結論がつきました。

1月27日-アポをとる

お名刺はいただいていたので電話をしたのですが、なんだかんだ期間が空いてしまいました。「すみません以前お話しさせていただいたテスラモデル3の件でご相談なのですが、○○さんはいらっしゃいますか?」

私は新卒で電話ばかりとっていますので(電話対応が上手くなったなあ俺!)と要件をうまく伝えられたことに自画自賛をして束の間。お願いしたいと伝えると「ありがとうございます!大丈夫ですよ、今週平日入庫でも…どうしましょう?」と話が早い。よく私のこと覚えてくれてたな。

「仕事の都合で19時以降になるとのことでしたが、私らお待ちしますので持ってきていただければと」と融通を利かせていただけることに。あぁありがとうございます。これで治りそうです。ちなみに条件は下記の通り。

  • 平日入庫で入庫日から7日後であればいつでもピックアップ可能
  • 15万円と伝えたがさらに安くできそうだ
  • 現金払い、振り込み、カード払い対応

ついに私の息子の難病が治るとなれば、嬉しい以上の気分である。ちなみに1/30、3日後に入庫することに。

1月30日-入庫

入庫当日。一目散に家へ帰り、スーツのまま車を走らせました。引き渡しは、カードキーを預け、あとは運転大丈夫かと心配だったので新たに専用のドライバープロフィールを作成。私がバレーモードについてよく分かっていなかったこともあり。

預ける直前、車を降り、モデル3が車庫に入るのを見守りました。自分の車を他人が運転している様子を見るのがなかなか不思議な気分で、今でも鮮明に思い出せます。この車はやたら運転中静かであるため、運転中は「中にいるから外での音が自分に聞こえないだけなのかな」と思っていたが、本当に音がしない、この車。元気になって帰ってくるんだぞ。

2月1日-彼はいない

友達から「車買ったんだろ?乗せてくれない?」とのメッセージ。ごめん。今入院中なんだ。少ない友達からの希少な誘いがある時はいつも決まって遊べないのです。なぜでしょうね。

2月3日-手術成功

進展がありました。どうやら修繕が終わったとのこと。「仕事の都合でいつ取りに行けるかわからない」と伝えると、当日でもいいので連絡すればすぐお持ち帰りできるようにしておきますよ、明細はお待ちくださいとのことだった。今週中どこかで受け取りに行きますと返事。その週の仕事はやたら捗った。

2月6日-受け取り

この日は特に仕事も忙しくなく、定時で帰宅できそうだったので電話で受け取りに行きたい旨連絡をしました。請求書は紙かデータかと聞かれたのでデータで送ってもらうことに。早速来たメールにpdfファイルが付いている。

1枚は修理工程を撮影したい写真。もう一枚が見積もり書。130,000円ぴったりになったらしい。受け取り後でいいので振り込んで欲しいとのこと。ノリノリだったので電話後即ネットバンキングでスマホから振り込んでやりました。

受け取りに行った際、お世話になったサービスフロントの方はお帰りになったとのことで、お礼を言えず残念。しかし目の前には傷ひとつない(むしろ綺麗になった?)てすらくんの姿が。あぁ久しぶり、全てが懐かしい。新車のかおり。ハンドル。素敵なサラウンド。愛しの空間。

2月10日-お礼

忘れていたことがあったので電話しました。「もしもし、先日テスラの修理を依頼した者です。今回連絡差し上げたのはただお礼が言いたかっただけでして。ええ受け取りの時いらっしゃらなかったもので。その節は本当にありがとうございました、仕上がりも良く満足しております。」みたいなことを言った気がする。よく覚えてないけど。

終わりに

そんなこんなで、まあ色々奔走した今回の件でしたが、無事完治して良かったです。お世話になった皆さま、また素敵な技術をお持ちの峯田自動車工業様、ありがとうございました。

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